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8月1日は台灣の「原住民族(先住民)の日」になります。
「台灣島とその周辺島嶼に古くから住んでいた台灣の先住民族は、17世紀ごろからスペイン、オランダ、清朝と外来勢力に翻弄される歴史を歩み、19世紀末からは日本、20世紀半ばから中華民国の統治とさまざまな歴史を歩んできている。 
 台灣原住民族の日は、先住民の呼び方が、1994年8月1日公布の憲法改正条項により、「山胞(山地同胞)」という差別的なものから現行の「原住民」に改称されたことに由来するもので、2005年に記念日が制定されました。
 台灣先住民は1980年代から、台灣の民主化と呼応して民族としての権利獲得運動が徐々に成果を収めるようになり、各民族の総称も1994年には「原住民」、1997年には「原住民族」と法律上改められた。」

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 当時日本人は原住民族を「高砂族」と呼び、日本語教育や日本名を名乗らせるなどの同化政策を採りました。 中華民国(国民党)政府も原住民族の漢民族への同化政策を採りました。

(台北8/1日付中央社)の記事によると、蔡英文総統は「原住民族(先住民)の日」にあたる8月1日に、台北市内で開催された全国原住民族行政会議に出席し、原住民族の日を、国際色豊かな記念日として発展させていく意向を明らかにした。今後、世界各地の先住民を台湾に招き、文化や音楽、歴史的正義などの要素を取り入れ、記念日としての意義をより高めていくという。

【台灣原住民族】
 以前は"十四部族"とされていたが、2014年6月26日15番目16番目の民族として拉阿魯哇族(サアロア族)および卡那卡那富族(カナカナブ族)が認証され十六部族となった。
 皮肉なことに台灣原住民の研究・分類を推し進めたのは、1895年から1945年まで約50年間の長きにわたり台灣を植民地支配してきた日本人の学者(主に台北帝国大学土俗人種学研究室 ※当時の名称です)である。

■台灣16族群禮讚 祖韻文化樂舞團(台灣16部族群紹介ビデオ)




【原住民?先住民?の表現】
 現在は主に"原住民(yuan2zhu4min2/ユェンジューミン)"或いは"原住民族(yuan2zhu4min2zu2/ユェンジューミンズー)"と呼ばれる。

"先住民"の呼称は「いなくなった/すでに滅びた」者「先祖/先代」という意味が含まれるので、現在存在している彼らにしてはあまり好ましい呼ばれ方ではないのだ。

"原住民"の"原"には「最初の」「元々の」という意味が含まれるので、「元から台灣に住んでいた」彼らにとって相応しい名前といえるだろう。

しかし彼らが公式にこの呼び名を勝ち取るまでには、長い時間がかかった。

 彼らは彼らが望む名前ではなく、施政者の好きなように呼ばれていたのだ。 日本の植民地時代に日本人が皇族訪台の折に"蛮族"と呼ぶのは気が引けるということでつけた"高砂族(たかさごぞく)"が日本ではよく知られているが、台灣では長い間"高山族(ガオシャンズー)"や"山地人(サンディーレン)"と呼ばれていた。 その後政治的な意味あいで"山地同胞(山胞)"などという言い方を広めた時期もある。

 いわゆる「両岸問題」についてご存知の方は多いと思うが、80年代に萌芽し90年代に盛んになった台灣の本土化運動が奇しくも彼ら原住民族に自らのアイデンティティを確認する行動を取らせるきっかけとなったことは、台灣の政府も思い及ばなかっただろう。

名称や戸籍、委員会の設置など台灣政府が大陸と違った独自路線で台灣の原住民族を治めていくことに舵を切った90年代半ばのこと。

しかしながら今日でも差別的な名称で呼ぶ人も少なくない。


【当サイトの記載表記について】
当サイトの記事のなかでは「原住民」または「原住民族」という表記を使用しています。

 彼らとの長年の付き合いのなかで彼らは「私達は”原住民”である。 それを誇りに思っている」とのことです。

 自国の言語を疎かにするつもりはありませんが、当サイト(SNS含む)では彼らの意思を尊重したいと思います。 
不快に感じてしまった方には心からお詫び申し上げつつ、ご理解いただければ幸いです。(当サイト管理人)

管理人のホームページ「台灣原住民族文化資料室」でも紹介しています。


参考に台灣先住民族権利宣言の日本語版と中文版を 【▼続きを読む】に掲載しておきます。

【続き】 台灣先住民族権利宣言の日本語版と中文版

【台灣先住民族権利宣言】
台灣先住民族権利促進会1987年討論1988年発表
中国語からの翻訳:中村平

台灣先住民族は炎帝や黄帝の子孫[1]ではありません。先住民は南島語系(オーストロネシアンまたはマラヨ・ポリネシアン)に属し、自分たちを炎帝や黄帝の子孫で、かつ漢族に属していると考える閩南人、客家人と外省人とは異なります。
 台灣先住民族は台灣島の主人です。西暦1620年に外来勢力が侵入する前、先住民は台灣島の唯一の主人でした。西暦1624年にオランダとスペインが台灣に入り、1949年に中華民国政府が台灣に移るまでのおよそ四百年間、オランダとスペインは強力なモノの力と熱狂的宣教により先住民に影響を与え、鄭氏と清帝国は漢人の圧倒的な人口とより効率的な農耕と土地経営の技術により先住民を脅かし、日本はその南洋植民地の目標にのっとり、台灣の経済資源を開発する行動により先住民を圧迫しました。中国が台灣を取り戻した後は、「台灣は中国に属す」という理念と「先住民の漢化は絶対の真理」という信念のもと先住民を同化しようとしました。台灣先住民族は台灣島の「唯一の主人」、「主人のひとつ」から、主人の地位を完全に失うところまで来ました。
 台灣先住民族は現在、種族絶滅の大きな危機に直面しています。西暦1949年中華民国政府が台灣に移った後、この四十年余り、執政当局の憲法の精神に違反する同化政策により、更に台灣先住民族の生計と生産方式が市場をその傾向とする資本主義経済体系に巻き込まれ、台灣先住民族の経済・社会システムはこれまでになかった挑戦にさらされています。今日、台灣先住民族が直面している経済的搾取、社会的差別、政治的圧迫および文化的軽視は、既に台灣先住民族を民族絶滅の危機にさらしています。

上の情勢に基づき、「台灣先住民族権利宣言」の声明を特にここで行う。
1.先住民の一切の人権は尊敬を受ける必要がある。
2.先住民は生活上の基本的保障権(生存権、仕事の権利、土地権、財産権と教育権を含む)、自決権、文化アイデンティティ権を有する。つまり、自己の政治的地位を決定し、自由に自己の経済、社会と文化発展の方向を希求する権利を持つ。これらの権利は、強権的システムの圧迫や侵犯を受けてはならず、剥奪されてはならない。
3.台灣先住民族の伝統的居住地域は、区域自治を実行する。自治機関の発達と、先住民事務を主管する行政機構は中央レベルのものとなす。国家は先住民が自治権を行使すること、ならびに先住民が政治、経済、社会と文化の各方面での発展を十分に保障しなければならない。
4.国家の各種議会はすべて、先住民各族の代表を有しなければならない。各種議会のうち、先住民の各議案に関しては、先住民代表が最終的否決権を持つ。
5.国家は「同化ではなく尊重、圧迫ではなく平等」の先住民政策を制定しなければならない。
6.先住民の地位と権利は、国家がこれを立法し保障する。
7.国家は先住民の人口、地域と社会組織を承認しなければならない。
8.先住民は土地と資源の所有権を有し、法的ではなく奪われ占拠されたすべての土地は、先住民に返還されなければならない。
9.土地権は、地上、地下と海域を含む(国際法の制限に則る)。
10.先住民は、自分たちの資源を利用し先住民の需要を満足させる権利を有する。
11.先住民は、誰が先住民であるかを決定する権利を有する。
12.先住民は、自分たちの社会組織の構造と権利の範囲を決定する権利を有する。
13.先住民の文化は、全人類の祖先から受け継いだ財産である。
14.国家は先住民の文化と習俗を尊重しなければならない。先住民は自分の言語、文字を発展させ、自分たちの風俗習慣を維持あるいは改革する自由を持つ。
15.先住民は、自分の母語で教育を受け、自分たちの学校を設立する権利を有する。国家は先住民の母語の平等な地位を尊重しなければならない。先住民の住む地域は、各民族語と漢語の双方の併用による教育政策をとらなければならない。
16.先住民は、自己の民族語と文字を使用し、訴訟を進める権利を持つ。裁判所は、台灣地区において通常使われる言葉と文字に通暁していない先住民当事者に対し、通訳と翻訳を行わなければならない。
17.先住民は、固有の姓・氏名を回復する権利を有する。

[1] 原文「炎黄的子孫」。中国語で「炎黄子孫」と言えば、一般に中国人を指す。

※翻訳では先住民となっていますが、原文では原住民と表記されています。



【台灣原住民族權利宣言】
台灣原住民族不是炎黃的子孫。原住民全屬南島語系(Anstronesian或Malay-Polynesian),與認為自己是炎黃子孫且均屬漢族的閩南人、客家人和外省人不同。 台灣原住民族是台灣島的主人。在公元一六二○年外來勢力尚未入侵之前,原住民是台灣島唯一的主人;公元一六二四年荷西人到一九四九年中華民國政府遷台迄今的近四百年間,由於荷西以優勢的物質力量及宗教宣揚的狂熱來影響原住民、鄭氏及清帝國則以漢人絕對數量的人口及更有效的農耕和土地經營技術來威脅原住民、日本更依其殖民南洋的目標,以開發台灣經濟資源的行動來壓迫原住民、中國取回台灣後,以「台灣屬於中國」的理念及「原住民漢化是天經地義之事」的信念來同化原住民族由台灣島「唯一主人」、「主人之一」,而到完全失去主人的地位。但是,原住民在意識上仍完全肯定自己是台灣島的主人。 台灣原住民族正面臨種族滅絕的重大危機。公元一九四九年中華民國政府遷台以後,近四十年來,由於執政黨當局違背憲法精神的同化政策,再加上台灣原住民族的生計生產方式被納入以市場作為取向的資本主義經濟體系裡,而使得台灣原住民族的經濟社會體系遭遇前所未有的挑戰。今天台灣原住民族所遭遇的經濟剝削、社會歧視、政治壓迫以及文化漠視,已經使得台灣原住民族瀕臨滅族的危機。

台灣原住民族權利促進會基於上述情勢,特聲明「台灣原住民族權利宣言」如後:
1.原住民的一切人權必受尊敬。
2.原住民有生活基本保障權(包括生存權、工作權、土地權、財產權與教育權)、自治權、文化認同權。質言之,有權決定自己的政治地位及自由謀求自己經濟、社會與文化發展的方向。這些權利不應受強權體系之壓迫、侵犯而予以剝奪。
3.台灣原住民族傳統聚居的地方實行區域自治。提昇自治機關以及主管原住民事務的行政機構為中央層級。國家應充分保障原住民行使自治權,並幫助原住民發展政治、經濟、社會和文化的建設事業。
4.國家的各級議會中,都應當有適當名額的原住民代表。各級議會中,有關原住民各項議案,原住民代表擁有最終否決權。
5.國家應制定「尊重而非同化,平等而不壓迫」的原住民政策。
6.原住民的地位及權益,國家應立法保障。
7.國家必須承認原住民的人口,地區和社會組織。
8.原住民有他們土地和資源的所有權,一切被非法奪取、霸佔的土地應歸還給他們。
9.土地權包括地上、地下和海域(按國際法限度)。
10.原住民有權利用他們的資源來滿足他們的需要。
11.原住民有權決定誰是原住民。
12.原住民有權決定他們社會機構的結構和權力範圍。
13.原住民的文化為全人類的祖產。
14.國家必須尊敬原住民的文化、習俗。原住民有使用和發展自己的語言、文字以及保持或者改革自己的習俗習慣的自由。
15.原住民有權用自己的母語受教育。成立自己的學校。國家要尊重原住民母語的平等地位。原住民地區應採取各族語併行之教育政策。
16.原住民有使用本族語言、文字進行訴訟的權利。法院對於不通曉台灣地區普通用的語言、文化的原住民當事人,應當為他們翻譯。
17.原住民有恢復固有姓氏的權利。


最後までご覧いただき、ありがとうございます。
それでは次回をお楽しみに・・・

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台灣多桑
Posted by台灣多桑

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